トップへもどるいいもの見つけ隊バックナンバー>vol.029「ひなげし美術館」
横井照子 ひなげし美術館
懐かしいのに新しい、小さな美術館を訪れました。
整えられつつもなにげない庭をながめながら、のんびりのぼっていくと、古民家のような建物が待っていました。
引き戸を開けるとふわりと木の香り。。自然光をほどよく採り入れたやわらかなあかりと白い壁に、花のように絵画作品が掛けられていました。
スイス在住の日本人画家 横井照子さんの世界
薄く可憐な花弁が印象的な「ひなげし」の花の絵を代表とする彼女の作品は、リトグラフ、テンペラ、油絵で、花や自然を題材に描かれています。
どことなく日本のきものの柄をイメージさせるモダンでミニマルな作品は、観る人のイメージによっていろんなとらえ方ができそうです。

恵那川上屋とひなげし美術館
横井さんと恵那川上屋の社長さんは、社長が20代の頃にスイスを訪れた時からのご縁だそうです。
今では、恵那川上屋の包装紙やパッケージイメージでおなじみの横井さんの絵。美術館創立は横井さんの絵や人柄の魅力をどうしても伝えたいと、20年もの長いあいだ暖めつづけていた社長の夢だったそうで、彼女の作品は現在、日本では唯一ここだけの展示なのです。
農機具小屋を移築 細部までこだわった建物
作品とぴったり調和する美術館の二棟の建物は、高山市上宝町と高山市清見町の築百年近い板倉造りの農機具小屋だったものを移築。岐阜県土岐市の腕利きの大工さんが、解体から再び建て直しまですべて一人で手がけました。なんとその組み立てには釘は一本も使わなかったそう。
館内の柵や展示台は地元の家具職人が手がけ、外に段々と積み上げられた石垣は、昔、恵那市中野方町の坂折棚田で使われていた石を積み直したものだとか。
細やかなパーツや大きな素材ひとつにも「調和」を大切にしたこだわりが伝わってきます。
日本百名山でもある恵那山の眺めも絶景なロケーションに建つこの美術館。
窓からのぞく風景も実は空間の一部として楽しんでいただきたいとの考えから、春にはしだれ梅に花がつき、美術館の周りにはひなげしの花が咲くようにして・・とこれからの構想もいろいろ。
四季で変化する恵那の自然もここからみると改めてこの土地の美しさを発見できました。
こころを豊かにしたくなったとき、ふらりと立ち寄ることができる美術館があるのはとても贅沢なことなのかもしれません。

・「横井照子ひなげし美術館」が県のまちかど美術館に…(詳細は恵那市HPでどうぞ)
・企画・展示については「イベント情報/みみよりな話」で紹介することがあります。
・なもねっとでご紹介した恵那川上屋さんのページ>>美術館でゆっくりしたらお菓子もどうぞ。季節でメニューの変わるカフェコーナーもあり、くつろげます。

地図

ひなげし美術館

〒509-7201
岐阜県恵那市大井町2632-105
(株)恵那川上屋 東 

電話…0573-20-1181
URL…http://www.enakawakamiya.co.jp/